トネリコ（梣）

「トネリコ」は、樹皮に“イボタロウムシ”が分泌する蝋物質が付着する。これを“トネリ”といい、引き戸の溝などに塗って滑りを良くしたことから「戸塗木（とねりき）」が、転訛したと考えられている。

高木／冬季落葉／雌雄異株

高さ：6〜15m／葉身長：18〜35cm／（小葉）葉身長：5〜15cm／果長：3〜4cm

幹は直立する。樹皮は灰白色で白っぽいの斑点模様ができる。葉は小葉2〜4対＋1枚からなる奇数羽状複葉で、対生する。小葉は先が尖った卵形～長楕円形で、浅い鋸歯がある。4〜5月頃、葉の展開とほぼ同時に枝先や葉腋に円錐花序を出し、淡緑色の花を咲かせる。花には花弁が無く、雄花は雄しべ2本で、雌しべは無い。雌花は雌しべだけのものと、仮雄しべ2本があるものがある。果実は白緑色で倒披針形の翼果で、10月頃に熟す。

日本（本州）

山地の湿地に自生する。

刈りとった稲を干す稲架木（はざき）として、田の畔に植栽され、利用される。樹皮は薬用に利用される。材は野球のバットやステッキ、建築資材などに利用される。