アブラチャン（油瀝青）

「アブラチャン」は、種子や樹皮に油分を多く含み、生木でもよく燃えることから。“チャン＝瀝青（れきせい）”とはアスファルトやコールタールなど、炭化水素類のこと。
「ムラダチ」は、幹が株立状に出ることから。

低木／冬季落葉／雌雄異株

高さ：2～5m／葉長：4～8cm／花径：5～6mm／果径：1.5cm

幹は細く株立状になる。樹皮は赤褐色で小さな皮目がある。葉は全縁で先の尖った卵形～卵状楕円形で、大きく波うつ。葉柄は赤みを帯び、互生する。秋には黄葉するが枝に長く残る。3～4月に葉の展開前に開花。雄花は淡黄色で数個が固まってつく。雌花は緑黄色で雄花より小さい。果実は球形の液果で、10～11月に黄褐色に熟して不規則に裂け、赤褐色の種子を1個出す。

日本（本州～九州）

山地の斜面などに自生する。強健で栽培容易。日当たりを好む。

公園樹、庭木、盆栽。果実や枝から油をとって、灯油として利用された。